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20歳前の障害年金の請求

2019.08.27

 公的年金制度に加入している人が重い障害の状態になったときは、障害年金が支給されます。さらに、20歳前に初診日がある公的年金制度に入っていなかった障害者が請求すると支給される年金があります。今回は20歳前の障害年金について紹介します。

 「20歳前の障害年金」とは、初めて医療機関を受診した日(初診日)が20歳よりも前にある障害者が、20歳になったとき(又は初診日から1年6か月経過した日)に請求できる障害年金をいいます。年金の保険料を支払っていないので「福祉年金」とも呼びます。

 「障害」とは、知的障害、身体障害、うつ病などの精神疾患、難病などにより「仕事や日常生活が不自由な状態」をいいます。療育手帳や障害者手帳の障害の等級、手帳の所有の有無に関係なく、年金法に定められた等級で支給されます

20歳前の障害年金を受給できる条件

  1. まず、障害の原因となった病気やケガで初めて病院に行った日(初診日)と医療機関を調べてください。医療機関の初診日の証明が必要で、初診日が20歳前であることが必要です。医療機関が倒産していたり、カルテが無いこともあります。このような時は、客観的に証明できる書類により認められることもあります。
  2. 次に20歳のとき(又は初診日から1年6か月経過した日)に障害の程度が1級か2級(厚生年金は1級から3級)に該当している必要があります。障害の程度の判定は、診断書で行われます。なお20歳のときには障害の程度が該当しなくても、その後程度が重くなり65歳になる前までに申請すれば受給できることがあります。

20歳前障害年金の請求の流れ

  1. 障害の原因となった病気やケガで初めて病院に行った日(初診日)と医療機関を調べてください。初診日の証明を発行してもらえるか相談しましょう。医療機関が倒産していたら年金事務所等で相談してください。
  2. 申請書類を市役所(又は年金事務所)でもらいましょう(療育手帳や障害者手帳を用意すると良いでしょう。)
  3. 20歳になってから、必要書類(初診日証明、診断書、病歴申立書など)をそろえましょう。
  4. 20歳になってから(なるべく3か月以内に)年金請求書と必要書類を提出しましょう。
  5. 約4か月位で支給決定(又は不支給決定)通知が届きます。
  6. 支給決定通知から2~3か月以内に年金が振り込まれます。
  7. 不支給だったときは、審査請求ができます。また障害の状態が重くなったときは65歳になるまで請求できます。

障害年金の受領額

等級初診日が20歳前で公的年金制度に加入していない初診日に厚生年金に加入している
1級障害基礎年金(2級の額×1.25)
+子の加算
1級の障害基礎年金
+障害厚生年金
+子の加算
+配偶者の加算
2級障害基礎年金
+子の加算
2級の障害基礎年金
+障害厚生年金
+子の加算
+配偶者の加算
3級支給なし障害厚生年金

障害年金だけで生活に困った時は

2級の障害基礎年金の年額は780,100円で、とても生活できる金額ではありません。活用できる財産や預貯金もなく、親族からの援助も受けられない時は生活保護を申請することができます。生活保護を受けるためにはお住いの福祉事務所(市役所等)に申請しなければなりません。福祉事務所での相談は無料ですし、プライバシーも保護されていますので、生活に困ったときは一人で悩んでないで相談しましょう。

障害のある皆さん、あなたの味方になってくれる人がいるはずです。障害年金のことや生活保護のことに少しでも興味を持たれましたら早めに相談しましょう。